東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 酒井研究室

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酒井教授、東北大学酒井研 高橋宙大助教、楊歌さんらの論文がNature Communicationsオンライン版に掲載されました

2022年09月29日 14時34分00秒 (#912)

酒井教授、東北大学酒井研 高橋宙大助教、博士課程 楊歌さんらの論文がNature Communicationsオンライン版に掲載されました。

高橋宙大助教は2020年3月に東大酒井研(大学院医学系研究科)で博士(医学)号を取得し、2021年4月より東北大学大学院医学系研究科分子代謝生理学分野酒井研に着任され、研究に取り組んでいます。

MYPT1-PP1β phosphatase negatively regulates both chromatin landscape and co-activator recruitment to influence gene expression during beige adipogenesis.


寒冷を感知し、誘導性熱産生脂肪細胞(ベージュ脂肪細胞)の生成を制御する脱リン酸化酵素の発見
-クロマチン構造と共活性化因子誘導を調節し、食事誘導性肥満と耐糖能を改善-

【発表のポイント】

◆長期に持続する寒さに対し、恒温動物は脂肪組織の質を変化させることで、脂肪を燃焼して熱を産生し、体温を維持することが出来ます。

◆寒さによって熱産生を行う脂肪組織に質が変化する過程では、タンパク質脱リン酸化酵素(注1)の働きが抑制されることで、エピゲノム(注2)の変化と転写因子(注3)を介した転写の活性化が誘導されることを解明しました。

◆本研究成果は、肥満や生活習慣病に対する新たな治療法や予防法への応用が期待されます。

    

【用語解説】

(注1)タンパク質脱リン酸化酵素:タンパク質からリン酸基を取り除く酵素。

(注2)エピゲノム:ゲノムの塩基配列以外の後天的に書き換えられる遺伝情報を指す。具体的にはDNAのメチル化修飾、ヒストンのメチル化やアセチル化等の化学修飾など。

(注3)転写因子:特定のDNA配列を認識し、結合することができるタンパク質。他のタンパク質と相互作用することで、遺伝子の発現を強めたり、弱めたりする。

   東京大学先端科学技術研究センター研究成果      

   Research Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo Research News (English) 

   東北大学プレスリリース                                                   

   東北大学プレスリリース本文

                                                          写真右が高橋宙大助教

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