東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 酒井研究室

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天使大学において実験に参加された被験者様のデータの再解析について

2022年11月17日 17時49分00秒 (#917)

課題研究 「生活環境による褐色脂肪の運命決定機構に関する研究」

~過去に天使大学において実験に参加された被験者様の褐色脂肪組織活性、体組成、エネルギー消費量のデータの再解析について~

 

令和4年11月17日

 

肥満は心疾患、脳血管障害、一部のがんなどの原因となります。肥満の予防と治療には適切な食事管理と習慣的な運動が不可欠であることは言うまでもありませんが、これらを継続的に実施することは容易ではありません。近年、肥満予防の第三の方法として、エネルギー消費に寄与する褐色脂肪組織(以下、褐色脂肪)を活性化すると肥満予防に役に立つのではないかと期待され、国内外を通じて大きな関心を集めています。

 

私たちの研究グループは、これまで数多くの健常被験者様にご参加いただき、褐色脂肪と肥満、生活習慣病の関係を解析してきました。その結果、褐色脂肪の活性が加齢と伴に機能低下し肥満の一因になること、機能低下した褐色脂肪を再活性化させるとエネルギー消費が上昇して体脂肪が減少することを世界に先駆けて明らかにしてきました。しかし、褐色脂肪の加齢変化や個人差の原因と影響要因に関しては不明な点が多く残されています。東京大学先端科学技術研究センター米代武司らの研究【生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究】では、現在および過去の生活環境が遺伝子の修飾であるエピゲノムの変化を促すことにより、褐色脂肪の代謝運命が決定されている可能性とそのメカニズムを検証します。本研究の成果は、褐色脂肪を標的とした画期的な生活習慣病予防法の創出に役立つと期待されます。

 

今回の研究では、2006年7月20日から2020年3月31日に天使大学 斉藤昌之 教授(現北海道大学 名誉教授)、同 松下真美 助教(現講師)、北海道大学 米代武司 研究員(現東京大学准教授)の研究【PET/CTによる褐色脂肪の検出条件の検討】、【エネルギー代謝における個人内変動の要因:褐色脂肪の寄与】、【ヒト褐色脂肪の活性と身体機能特性に関する研究】、【ω3脂肪酸のヒト褐色脂肪に対する作用とその抗メタボ効果】で得られたデータのうち、褐色脂肪活性、体組成、エネルギー消費量のデータを利用します。過去にご協力いただいた被験者の皆様のご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 

本研究の実施内容は東京大学倫理審査委員会の審査を受けております。また、被験者の個人を特定できない匿名化した状態でデータを利用します。本研究で得られた結果は、学会や論文誌等で発表する予定です。匿名化されたデータを解析した結果を公表するので、結果から個人を特定することはできません。プライバシーは完全に保護されます。

 

該当する方の中でこの研究に関して、質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、令和4年12月16日(金)までにその旨を東京大学先端研・代謝医学分野・米代武司(yoneshiro.takeshi@lsbm.org)までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。

 

以上、ご理解・ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野 米代武司

天使大学看護栄養学部栄養学科 松下真美

北海道大学大学院獣医学研究科 斉藤昌之

 

問い合わせ先:電話 03-5452-5471(米代) 

 



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