東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 酒井研究室

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東京医科大学において実験に参加された被験者様のデータの再解析について

2024年03月13日 13時00分00秒 (#956)

課題研究 「生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究」

~過去に東京医科大学において実験に参加された被験者様の褐色脂肪組織密度、体組成データ再解析について~

 

令和6年3月13日

 

肥満は心疾患、脳血管障害、一部のがんなどの原因となります。肥満の予防と治療には適切な食事管理と習慣的な運動が第一選択となります。しかし、これらの行動変容を継続的に実施することは容易ではありません。近年、肥満予防の第三の方法として、エネルギー消費に寄与する褐色脂肪組織(以下、褐色脂肪)が肥満や糖尿病を予防するための刺激標的として役に立つのではないかと期待され、大きな関心を集めています。

 

私たちの研究グループは、これまで多くの健常被験者様にご参加いただき、褐色脂肪と肥満、生活習慣病の関係を解析してきました。その結果、褐色脂肪の活性が加齢に伴い機能低下することが肥満の一因になること、しかし機能低下した褐色脂肪を再活性化させるとエネルギー消費が上昇して体脂肪が減少することを世界に先駆けて明らかにすることができました。一方で、褐色脂肪の加齢変化や個人差の原因と影響要因に関しては不明な点が多く残されています。東京大学先端科学技術研究センター米代武司らの研究【生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究】、【環境記憶によるヒト褐色脂肪組織と生活習慣病リスクの制御機構の解明】では、現在および過去の生活環境が遺伝子の修飾であるエピゲノムの変化を促すことにより褐色脂肪の代謝活性を決定している可能性とそのメカニズムを検証します。本研究の成果は、褐色脂肪を標的とした画期的な生活習慣病予防法の創出に役立つことと期待されます。

 

今回の研究では、2018年1月~2021年3月に東京医科大学 浜岡隆文教授らの「褐色脂肪組織量に与える生活習慣の影響、並びに糖尿病および腎不全患者の褐色脂肪組織量に関する研究」、2021年2月~2024年3月「運動介入および寒冷負荷が褐色脂肪組織密度に及ぼす効果について」の研究で得られた、褐色脂肪組織の密度のデータと体組成データを再解析し、ヒトにおける世代を超えた褐色脂肪組織の機能制御の有無と全身性のエネルギー代謝調整に及ぼす影響を明らかにします。過去にご協力いただいた被験者の皆様のご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 

本研究の実施内容は東京大学倫理審査委員会の承認を受けております。また、被験者の個人を特定できない仮名加工した状態でデータを利用します。本研究で得られた結果は、学会や論文誌等で発表する予定です。仮名加工されたデータを解析した結果を公表するので、結果から個人を特定することはできません。プライバシーは完全に保護されます。

 

該当する方の中でこの研究に関して、質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、令和6年3月29日(金)までにその旨を以下の連絡先までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。

 

以上、ご理解・ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

<連絡先>

東京医科大学健康増進スポーツ医学分野 布施沙由理

Email: fuse@tokyo-med.ac.jp

 

東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 米代武司

Email: yoneshiro.takeshi@lsbm.org

 

※上記期日以降でもご不明点などが生じた場合はこちらへお知らせください。

 

<研究責任者>

東京医科大学健康増進スポーツ医学分野 浜岡隆文

「褐色脂肪組織量に与える生活習慣の影響、並びに糖尿病および腎不全患者の褐色脂肪組織量に関する研究」、「運動介入および寒冷負荷が褐色脂肪組織密度に及ぼす効果について」

 

東京大学先端科学技術研究センター 大澤毅

「生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究」 

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