東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 酒井研究室

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佛教大学、国立健康・栄養研究所および京都先端科学大学にて実施された研究に参加された被験者様のデータの再解析について

2024年06月03日 13時38分00秒 (#961)

 

課題研究「生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究」

~過去に佛教大学、国立健康・栄養研究所および京都先端科学大学にて実施された研究に参加された被験者様の体組成、身体活動量、エネルギー消費量データの再解析について~

 

 

令和6年6月3日

 

肥満は心疾患、脳血管障害、一部のがんなどの原因となります。肥満の予防と治療には適切な食事管理と習慣的な運動が第一選択となります。しかし、これらの行動変容を継続的に実施することは容易ではありません。近年、肥満予防の第三の方法として、エネルギー消費に寄与する褐色脂肪組織(以下、褐色脂肪)が肥満や糖尿病を予防するための刺激標的として役に立つのではないかと期待され、大きな関心を集めています。

 私たちの研究グループは、これまで多くの健常被験者様にご参加いただき、褐色脂肪と肥満、生活習慣病の関係を解析してきました。その結果、褐色脂肪の活性が加齢に伴い機能低下することが肥満の一因になること、しかし機能低下した褐色脂肪を再活性化させるとエネルギー消費が上昇して体脂肪が減少することを世界に先駆けて明らかにすることができました。一方で、褐色脂肪の加齢変化や個人差の原因と影響要因に関しては不明な点が多く残されています。東京大学先端科学技術研究センター米代武司、大澤毅、酒井寿郎らの研究【生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究】では、現在および過去の生活環境が遺伝子の修飾であるエピゲノムの変化を促すことにより褐色脂肪の代謝活性を決定している可能性とそのメカニズムを検証します。本研究の成果は、褐色脂肪を標的とした画期的な生活習慣病予防法の創出に役立つことと期待されます。

 今回の研究では、2014年9月24日~2017年3月31日に青木好子(現 佛教大学教育学部教授)と山田陽介(現 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所室長)らが佛教大学にて実施した調査「幼児における身体活動量評価方法の妥当性および幼児の身体活動量、体格、体力、生活習慣に関する研究」、2019年11月25日~2021年3月31日に青木好子らが京都先端科学大学にて実施した調査「子どもの身体活動量と体格、体力、認知機能、生活習慣との関係」で得た体組成、身体活動量、エネルギー消費量データなどを再解析し、受精時期や出生時期の影響を調べることにより、ヒトにおける環境刺激による世代を超えたエネルギー代謝を明らかにします。過去にご協力いただいた被験者の皆様のご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。

 本研究の実施内容は東京大学倫理審査委員会の承認を受けております。また、被験者の個人を特定できない仮名加工した状態でデータを利用します。本研究で得られた結果は、学会や論文誌等で発表する予定です。仮名加工されたデータを解析した結果を公表するので、結果から個人を特定することはできません。プライバシーは完全に保護されます。

 該当する方の中でこの研究に関して、質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、2024年7月1日までにその旨を以下の連絡先までお申し出ください。お申し出のない場合は同意していただいたものとして取り扱わせていただき、2024年7月2日からデータの使用を開始いたします。

 以上、ご理解・ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

<連絡先>

東京大学先端科学技術研究センター 代謝医学分野 米代武司

Email: yoneshiro.takeshi@lsbm.org

 

佛教大学教育学部 青木好子

Email: y-aoki@bukkyo-u.ac.jp

 

医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部 山田陽介

Email: yamada.yousuke@kuas.ac.jp

 

※上記期日以降でもご不明点などが生じた場合はこちらへお知らせください。

 

<研究責任者>

青木好子(佛教大学教育学部)

「幼児における身体活動量評価方法の妥当性および幼児の身体活動量、体格、体力、生活習慣に関する研究」

「子どもの身体活動量と体格、体力、認知機能、生活習慣との関係」

 

大澤毅(東京大学先端科学技術研究センター)

「生活環境による褐色脂肪細胞の運命決定機構に関する研究」 

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